Q&A「日本は安全保証以外のメリットで、世界と戦っていけるか?」

Q&A「日本は安全保証以外のメリットで、世界と戦っていけるか?」

3月15日に開催いたしましたイベント「北海道に宇宙版シリコンバレーを作る」で
出席者から小田切様へ質問された内容です。

質問

日本のロケット部品の「要素技術」を武器に世界のロケット産業と戦う。 ・推進性バルブで宇宙ビジネスに関わっている。 夢のある話しを聞いた一方で、日本のロケットビジネスの周回遅れの状況。 宇宙ビジネスはコストと信頼性が勝負だと認識している。日本は安全保証以外のメリットで、世界と戦っていけるか?

回答

アメリカ等の先進国とのロケット開発の差について。 スペースXは、大きくリードしている。 従来の発射コストを1/6〜1/7に削減しており、通信ビジネスは圧倒的な差があり、それを埋めるのは困難。 ニッチなマーケットをマーケティングしていく。 それほど大きなマーケットではないが、自国ではロケットを上げられないアジア各国やアフリカ等の需要をとっていく。 これから20-30年先、月に移住する未来があるかもしれない。 海外からの市場を取りにいくには、宇宙ビジネス周辺の「衣食住」に目を付けると良い。 宇宙飛行士からは、日本食が評価される。宇宙旅行が広がる未来には、食の領域は面白い。 全ての産業は宇宙に繋がっていく。誰もやっていない専門領域に目を向ける。 また多品種少量のニッチなビジネスにおける、生活環境を快適にさせるものにはチャンスがある。 宇宙では、おしっこも貴重な水。 例)宇宙版ファブリーズや、匂いがしない衣類など。 通信(スペースX)、放送は、海外勢に勝てる見込みは少ないが、測位(リモートセンシング)には日本の勝算がある。 人工衛星のデータを活用したビジネス、リモートセンシングは、チャンスが無尽蔵にある。 例)光学カメラや、合成開口レーダー 北海道電力は高圧電柱をたくさん持っている。これを今は人が点検している。 それを将来的には合成開口レーダーで点検する。 映像との差があったらフラグを立てて、ピンポイントに調査に行ける。 建設でも建物の歪みをデータで調べることが出来る。日本人の得意なものが活かし、マネタイズしていき活路を見出す。 日本の要素技術は、いろんなものが随所に活躍している。それがないと、ロケットが飛ばせない技術は複数ある。 そこを深掘っていくと、日本のロケット部品の価値は高まってくるだろう。

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